すっとこどっこい

あることないこと

アニキのこと 壱

某熱血系ロボットアニメの話をします。

ネタバレを見たくない、

私が立ち直り成長する感動の再生の物語(予定)がダルい人は

時間の無駄なのであんまりアレですな。

 

 

 

 

 

 


アニキが死んだ。
正直、前後の記憶があんまりない。
それもそのはず、2年くらい前の話だからだ。

 

 

私が彼を初めて知ったのは酒の席でだった。
趣味のない私にアニメを勧めてくれた人がいた。
とりあえず、名前を知っているエヴァを一度に借りた。
1週間で見るようなものではなかった。
ちょっと鬱になりかけた。
今でも私は「翼をください」と「第九」がトラウマである。


私でもアニメを見られるんだ、とわかったので、
もう一つ勧められた熱血ロボットアニメを何枚か借りた。
面白かった。
エヴァよりかはだいぶ。
それも、3巻の3話目までだった。


アニキが死んだ。

 

私は完全に、主人公と同じ目線で見ていたのだ。
恋にも似た、強烈な憧憬。
彼が死んで、茫然とエンディングを見て、
次回の予告があることに驚いた。
物語は続くのだ。
しかし、私の心は完全に折れてしまった。
レンタル屋に返却したあと、
続きを借りることなく帰った。
勧めてくれた人にその報告をすると、
「そこからが本番なんだよ!
主人公の立ち直りと成長を見ろよ!」
と叱られた。
残念ながら私はアニメをあまり見ない。
基本的に馬鹿みたいに能天気な話か、
馬鹿みたいに間抜けな話しか見たくない人間なのだ。
刺激が強すぎた。

 

何が間抜けって、私は彼が死ぬことを知っていたのだ。
酒の席で勧められた時に
「まぁアニキは死ぬんだけど」
「ネタバレやめて!」
という会話をしたはずなのだ。
すっかり忘れていた。

 

それから私はそのアニメの名前を見たり聞いたりするたびにちいさな胸をぎゅう、と痛めていた。
先日、ニコニコ動画で一挙放送をすることを知った。
そこで見ればいいじゃないか。
タダで見られるし、
きっとコメントもつくから一人で見なくて済むし、
傷が抉れて頭を抱えている間にも次の話が流れる筈だ。
結論から言うと、見られなかった。
そんなにトラウマなのか、私。
そもそも、メインキャラクタが死ぬってどういうことだ。
私の最愛のキャラクタも「お前なんて地獄でひとりで苦しめばいい」と殺された世界線があったようだが、
それはミュージカルか舞台の話だったし私は直接に見ていない。
目の前で死なれたのが初めてだったのだ。
そりゃ、悲しいでしょ。

 

いつまでも過去にとらわれていちゃいけない。
前へ進まなきゃ。
と、失恋女みたいなことを考え、
別の酒の席で勧められたこともあって、
近所のレンタル屋に行った。
なかった。
4、5巻がなかった。
というか、アニキが死んだの3巻だったのか。
早すぎる死。
…と、いつもの棚を眺めていたらふと思い出した。
以前もこの傷と向き合おうとしたことがあったのだ。
その時も確か4、5巻がなかった。
どういうことだ。
そんなに人気があるのか?そこだけ?
決して最近のアニメではない。
それとも私のマが悪すぎるだけなのか?
もしかしてあの店にないんじゃないか?
以前の私だったら、以前の私のように諦めていただろう。
しかし今の私は違うのだ。
ちょっとだけ強くなったのだ。
なんとしてでも見てやる。


明日隣の駅のレンタル屋へ行くことを決意した。